ベイマックスの大学入試制度

ディズニー映画『ベイマックス

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天才的頭脳を持つヒロが、亡き兄が発明したベイマックスを使って敵ボスを倒す話だ。

私が注目したシーンはヒロとベイマックスが果敢に戦っていくところではなく、14歳のヒロが大学へ入学したシーンだ。

入学年齢でまず驚くだろう。でももっと驚くべきところは大学の入試のやり方だ。入試方法はロボット展示会のプレゼンテーションの評価で合否を決めるものだった。

ヒロは自分自身で何日もかけて研究を重ねた。そして「マイクロボット」を発明し、見事大学入学への切符をつかんだ。

現実的にはこのような入試制度は不可能かもしれないが、こんな入試が私の理想だ。

これに近い形として日本の大学では、AO入試(Admissions Office)が設けられている。最近では国立大学でも設置が進み、2016年には東京大学でも開始された。

 

AO入試には賛否両論だが、茂木健一郎氏はこう語る。

 

「日本ではAO入試の批判が多いようだが、狭い学力観に基づいていると思う。むしろすべての入試がAO入試になるべき。学力は多様性の中で判断すればいい」

 

このような意見を少なくとも落合陽一や尾木ママも語っている。

 

センター試験を課さない入試も増え、その制度で入学したものを「バカで怠け者」の受験逃れと批判する人もいる。

でもAO入試がないせいでこんな人がいるとしたらどう思うだろうか。

物理だけノーベル賞的にできるが、英語や社会が苦手でまともな大学に入れない生徒。

天体は周りに引けを取らないくらい得意だけど、多くの大学で入試科目に地学が存在しない。結果、第一線で研究できる大学には入れなかった生徒。

もったいないどころか、国家的損失ではないだろうか。

 

私の理想とする大学入試は、自分の得意分野の研究をアウトプットし、その評価で合否を決めるものだ。

大学入試がそんなものに変貌すると教養が欠如すると批判する人もいるかもしれないが、入試のためだけにやらされた知識が身になるとは思えない。

それよりも1つのことにのめり込むくらいの深い探究こそが真の知識につながるのではないかと思う。また、自分なりの探究を続けているうちに「△大の〇〇先生の研究室に行きたい」というような目標を持つことになる。自分の偏差値で入れそうなところを選んで大学に入ったりすることはなくなるはずだ。ましてや大学はテーマパークだと幻想する奴は論外だけど(笑)

 

2020年からは新しい大学入試に変えられ、高校教育の在り方も変わっていこうとしている。そんな中、今月発表された2022年から施行される高校学習指導要領改訂案には『探求』という言葉が重視された内容となっていた。内容をみると、私が理想とする「勉強と研究を交互に行う」の考えに合致したものといえる。

 

まだ試行されていないのでなんとも言えないが、先進的に探究を推し進めている学校も存在する。私が注目している学校は京都にある堀川高校だ。

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小中ではクリエイティブな発想ができたのに高校では受験勉強に明け暮れ、知識の吸収速度は早まるが、アウトプットが苦手になってしまうことが多い。まさに失われた3年だ。そんな事態を是正するためにもまず大学入試制度を見直し、高校教育の変革を助長しなければならない。